生理学講座 病態生理学分野

  • HOME
  • 研究内容
  • 生体機能の可視化に関する研究
生体機能の可視化に関する研究

 生体機能を評価するためには、様々な手法が用いられてきました。生理学の範囲では、生体の電気信号を増幅して記録する手法が確立され、脳の活動を記録する脳波記録、筋肉の活動を記録する筋電図記録、心臓の活動を記録する心電図記録などが一般的に用いられてきました。
 急速な高齢化の進捗そして医療費の増大に伴って我が国の医療が大きな転換期を迎えております。従来の治療中心の医療から予防や予見を軸足を移した医療へのシフトが喫緊の課題であるとされています。そこで、日常の生活環境で収集した生体機能に関する電子情報を用いたヘルスケアへの期待は非常に高まっています。
 その代表格が、心拍計やGPS機能などを搭載した腕時計型のスマートウォッチです。 5Gなどの情報通信ネットワークとクラウド情報処理技術の普及によって、様々な情報が集積されることで個人個人の健康管理だけでなく、ビッグデータになることでサービス設計にも役立つことが期待されています。無論、そこにはAI(人工知能技術)の活用が必要不可欠です。
 歯学部に所属している私たちは、ヒトの生体機能の中で食べる機能である咀嚼、飲み込む機能である嚥下、喋る機能である発音を対象として、その機能を定量化するとを目指して研究を行ってきました。

 例えば、5×3×1.2mmの小型の大気圧センサを鼻腔を通して咽頭方向に入れ、咽頭内部の形状変化を気圧変化として記録するための方法の開発を行ってきました。咽喉頭部は、舌や口蓋、顔面、咽頭にある複数の筋肉が協調して収縮が生じます。これにより、口唇の閉鎖と鼻咽腔の閉鎖という2つの“閉鎖”が生じます。この閉鎖によって、口腔と咽頭領域には“閉鎖空間”が産まれます。この閉鎖空間の圧変化を記録すれば、正常時では“円滑”に動く領域の機能を、気圧という形で数値化出来ると考えて、研究開発を行ってきました。

知財:特許第6174965号 口腔または咽頭の気圧をモニタリングする装置

関連論文:

Differential Response Pattern of Oropharyngeal Pressure by Bolus and Dry Swallows.Hasegawa M, Kurose M, Okamoto K, Yamada Y, Tsujimura T, Inoue M, Sato T, Narumi T, Fujii N, Yamamura K.Dysphagia. 2018 Feb;33(1):83-90. Use of a Novel Device to Assess Intraoral and Intrapharyngeal Baropressure during Sound Production.Sakuma T, Kurose M, Okamoto K, Hasegawa M, Fujii N, Nakatani Y, Takagi R, Sato T, Kodama Y, Ominato R, Yamamura K, Yamada Y.Folia Phoniatr Logop. 2016;68(6):274-281.